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文字通りの掃き溜め。覚書とも、下書きとも。
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サイト開設二周年ありがとうございます記念の、ちょっとした小話。
きちんとしたことをやってるゆとりが無いので、こんなところでこっそり。
脈絡無く、無節操にいきたいと思います。
思いつくがままふらふらと。
気づいてくださった方がいらっしゃれば僥倖です。


第一弾は、パラレルから小ネタを。
レツゴキャラは出てきません。
パラレルのキャラは、構想が長かった分愛着もひとしおでして……。
二重二次創作みたいな感じです。
そういうのがお嫌な方は回避推奨。


ネタの中身はともかく、こんな感じで、しばらく突発的な小話を上げようと思っています。
なにか「この後 / 前の話が読みたい」みたいのがサイト内にございましたら、こっそりひっそり教えていただけると、ネタに困らなくてとてもありがたいです(苦笑)。




 空を見つめるのが好きな子供だと、そう思った。
 子供の目は、いつだって窓の向こうへと向いている。
「何が楽しいんだ?」
 私の話も聞かずに。そう、揶揄を含んだ声をかければ、子供はゆるりと首をめぐらせる。
 頭が良く、察しがよい子供。ありとあらゆる意味で、幸福から最も遠いところでうずくまっている子供。
 私の評価は、間違ってなどいない。
 それは確信であり、短い時間を通じて知りえた現実でもある。
「色が、違う」
 底の見えない碧玉が、私の双眸を射抜く。そのままふいと元の位置に戻すさまは気だるげで、呼吸にすら厭いているように見えた。
 ぶっきらぼうな態度を非難する声が上がるが、それらはすべて右手で押し留める。子供は言った。私がこの国においてどのような立場にあるか、は関係ない。自分にとって、その地位がさほど意味を持たないということこそが重要なのだと。ゆえに、年長者へ、としての敬意は払っても、それ以上のものは求めるなと。
「色が違う。高さが違う。風も違う。においも違う。何もかも、すべてが違う」
 子供の言葉は端的で、ときに抽象的過ぎてよくわからない。赤子のように、獣のように、老人のように。色味をさまざまに変えるのは、子供とて同じだというのに。
 必要な話題以外の単語を舌に載せようとしない子供の、それは、はじめての独白。
「聞こえているはずだった声が、聴こえない」
 絞り出された声は、微かに震えていた。
 この地の空に、かの地の空を思い、遠き日の空を思い。
 子供が何を思って空を見つめているのかはわからなかったが、ひとつだけ、ようやく理解した。
 ああ、この子供は、救われることによって、救いの無さを知ってしまったのだと。


――呼ぶ声は聴こえない。遥か、遥か遠く。

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