文字通りの掃き溜め。覚書とも、下書きとも。
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拍手ログ第一陣第三弾です。
ファンタジーを目指して玉砕中。
そういうのがお嫌いな方は、スルー推奨です。
紫竜は気だるげに朱金の双眸を持ち上げる。言葉として告げられるものは何もなかったが、彼の存在が主人と仰ぐ人物のそれよりもよほど雄弁な視線は、ようやく来たかと物語っていた。
「何があった?」
言葉少なに問いかけてきた黒髪に、金色はのろのろと顔を上げ、やはり短く応じる。
「森の主を、怒らせちゃって」
「まーたゴウくんでげすか?」
「まあね」
予測通りとはいえ、当たって嬉しい読みではない。図らずも同時に三つの吐息が落とされ、場の二酸化炭素濃度は少しだけ上がる。
「ポーションで足りるでげすか? ハイポーションもあるでげすが?」
「今夜は?」
「宿を取ってある」
「じゃあ、ポーションで」
ごそごそと鞄を漁って体力回復用のボトルを示してくれた茶色に感謝を述べながら、金色は手を伸ばした。一晩かけてゆっくり回復できるなら、最低限の体力を補いさえできればそれでいい。空の蒼とも海の青とも違う、深い深い藍の液体。ボトルの中身を一気に飲み干すと、腹の底から全身を巡る力の流れを感じられる。
「ありがとう。エボリューションも、ありがとうね」
『無理はしないでもらいたい』
「うん。気をつけるよ」
ようやく竜の背中から身体を起こし、金色は力なく微笑んだ。朱金の瞳はそれをちらりと流し見て、大げさな溜め息を残し、光の微粒子となって消えていく。
「で、残りの二人は?」
「置いてきちゃった」
竜の気配が完全に消えるのを待ってから、黒髪は気にかかっていた、しかし答えの予測済みだった質問をようやく口にする。
「ボクが途中で体力尽きちゃって、そしたらエボリューションが」
「ま、大方予想通りでげすな」
仕方ないといった溜め息に添えられた言葉に短い吐息で同意を示し、黒髪は東を示した。
「とにかく、町へ行くぞ。待ち合わせはどうせ宿屋だ。お前は先に休んだほうがいい」
「そうさせてもらえると、ありがたいかな」
得物である杖に半ば寄りかかる形で立ち上がりながら、金色は力なく微笑んだ。
***
これを書き終えてしばらくして、指輪物語(映画)を見ました。
エルフとか魔法使いとか、HP やたら高そうな扱いで、愕然としたのを覚えています。
やつらは前衛でも後衛でも、マルチで使える便利キャラだったのか……!? と。
「何があった?」
言葉少なに問いかけてきた黒髪に、金色はのろのろと顔を上げ、やはり短く応じる。
「森の主を、怒らせちゃって」
「まーたゴウくんでげすか?」
「まあね」
予測通りとはいえ、当たって嬉しい読みではない。図らずも同時に三つの吐息が落とされ、場の二酸化炭素濃度は少しだけ上がる。
「ポーションで足りるでげすか? ハイポーションもあるでげすが?」
「今夜は?」
「宿を取ってある」
「じゃあ、ポーションで」
ごそごそと鞄を漁って体力回復用のボトルを示してくれた茶色に感謝を述べながら、金色は手を伸ばした。一晩かけてゆっくり回復できるなら、最低限の体力を補いさえできればそれでいい。空の蒼とも海の青とも違う、深い深い藍の液体。ボトルの中身を一気に飲み干すと、腹の底から全身を巡る力の流れを感じられる。
「ありがとう。エボリューションも、ありがとうね」
『無理はしないでもらいたい』
「うん。気をつけるよ」
ようやく竜の背中から身体を起こし、金色は力なく微笑んだ。朱金の瞳はそれをちらりと流し見て、大げさな溜め息を残し、光の微粒子となって消えていく。
「で、残りの二人は?」
「置いてきちゃった」
竜の気配が完全に消えるのを待ってから、黒髪は気にかかっていた、しかし答えの予測済みだった質問をようやく口にする。
「ボクが途中で体力尽きちゃって、そしたらエボリューションが」
「ま、大方予想通りでげすな」
仕方ないといった溜め息に添えられた言葉に短い吐息で同意を示し、黒髪は東を示した。
「とにかく、町へ行くぞ。待ち合わせはどうせ宿屋だ。お前は先に休んだほうがいい」
「そうさせてもらえると、ありがたいかな」
得物である杖に半ば寄りかかる形で立ち上がりながら、金色は力なく微笑んだ。
***
これを書き終えてしばらくして、指輪物語(映画)を見ました。
エルフとか魔法使いとか、HP やたら高そうな扱いで、愕然としたのを覚えています。
やつらは前衛でも後衛でも、マルチで使える便利キャラだったのか……!? と。
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